フジテレビの話題

今回は少し真面目な話です。


つい最近まで、フジテレビ問題が結構大きなものになっていました。


僕はそこまで集中してテレビを見ていたわけではないので、


ネットで取り上げられるまで、このことには全く気が付いていませんでした。


「韓国押し(推し?)」がその中心的な問題だったようです。


問題がこのように大きくなったのはなぜなんでしょうか。


考えられる理由はいくつかあると思われますが、


僕は


①テレビに対する不信感
②ナショナリスティックな問題であること

が大きな理由だと思いました。


では①について考えます。


元々、人々が最も接触するメディアであると言われるテレビは
(現在は年代によって必ずしもそうとは言えませんが、
http://www.ntt-ad.co.jp/news/20080415/20080415_1.pdf←詳しくはNTTアドの「情報・メディア接触の実態調査」を参照)

多くの場面で批判を浴びます。


確かにちょっとおかしいんじゃないかと思われる報道や表現は


けっこう見受けられます。


ぼくのような一般視聴者がこのようなことを発見できるのだから、


当然、周りの視聴者も少なからずテレビに対して不信感は持っているはずです。


数年に一度、必ずその不信感があふれ出します。


例えばオウム事件の際のTBSビデオ問題や、


NHK番組改変問題などが発覚した際は、


テレビに対する信頼感は失墜しました。


今回もあらゆる理由はあるにせよ、


不信感がその原動力であったことは間違いがないはずです。


ただ、今までと今回の問題の違いは、


問題を大きく取り上げたのが、


新聞などのメディアではなく、


市民であること。


僕の認識に間違いがなければ、


この問題はネットの書き込みなどから大きくなりました。


なぜでしょうか。


それはやはりテレビに対する不信感が爆発したからでしょう。


しかし、それだけでなくナショナリスティックな問題も絡んでいたからだと僕は思います。


それでは②について考えます。


もしも今回の問題に「韓国」というワードがなければ、


ここまで大きくはならなかったでしょう。
(他にも、フジサンケイグループの経営に韓国の企業が関わっているという話もあるそうです)


嫌韓の傾向は昔からありますから、


テレビという公共の電波を使うメディアが


「韓国押し」をすることに不快感を覚える人がいるのは


当然の流れだと思います。
(そのことに対する僕自身の考えは明言しませんが)


ここまでの話をまとめると、


元々あったテレビに対する不信感が、


ナショナリスティックな問題と絡んで爆発したのだということです。
(あくまで僕の分析です。)


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僕はフジテレビに強い不信感があるわけではないですが、


ここまで大きくなったのであれば、


それに関する検証なりを当事者であるフジテレビ、


ひいてはメディア全体でしてほしい。


しかし、今のところフジテレビも他のメディアもこの問題を大きく取り扱っているとはいえない状況です。


それが、一部のネチズンが騒いでいるだけだと問題を過小評価しているからという理由であれば、


それは相当な見当違いです。


先ほども言いましたが、


今までメディアの批判は市民ではなく、


他のメディアから取り上げられてきました。


それが今回は視聴者という一般の市民から問題を提起されたわけです。


そのことに目をつぶり、問題をやり過ごすならば、


今後メディアに対する信頼は無くなりかねません。


市民の代表であるとされているメディアが、


その市民の声を聞かないのであれば、


代表であると称する資格はありません。


韓国のことを好きか嫌いかなどは別にして、


メディアは検証や議論を今すぐにすべきだと思います。


僕個人として、今回の問題の是非に踏み込むつもりはありませんが、


問題が大きくなった過程はとても興味深いです。


去年の尖閣諸島沖の問題で、メディアではなく市民がその核心をつく


ビデオをネット上にアップしたことや、


最近の中東民主化において市民による情報の拡散があったことなど、


相対的に市民の情報発信力が強まっています。


今回のフジテレビ問題もプロセスを見ると似ているとは言えないでしょうか。


ただ、今回は矛先がメディアに向けられました。


だからこそ、メディアは市民の情報発信と自らのそれとの関係について


考えてみるべきだと思います。


長くなりましたが、


今回の問題を受けて、メディアは自らの姿を見つめなおしていただきたいと思います。




浅草橋周辺ですな。


結局この日はあんまり写真を撮りませんでした。