もう一人の自分・・・

僕が前期の科目で一番有意義な授業が毎週金曜日にあります。


写真のことを直接プロ写真家の方に教えていただけるという内容です。


そこで最近、授業をしてくれている写真家の方がよく「もう一人の自分」という言葉を繰り返します。


ここでいう「もう一人の自分」とは表現者に共通するものだそうです。


つまり、ある表現活動に没頭して、まわりのことが見えなくなる状況のことで、


その状況のときにはすでに「もう一人の自分」がリアルの自分を乗っ取っているのだとか。


例えば、戦場カメラマン。


彼らは銃声、怒号、悲鳴が響く中で写真を撮り続ける。


普通の人ならば耐えられない状況下で精神を保っているのが「もう一人の自分」。


「もう一人の自分」はリアルから表現世界へと自分を連れていきます。


そのとき、リアルの自分は意識がなく、先ほど言ったように「もう一人の自分」が身体を動かしています。



最近タイで日本人カメラマン(彼はビデオカメラマンだそうだが)が亡くなりました。


彼も同様に「もう一人の自分」とともに、暴動を撮り続けたのでしょう。



「もう一人の自分」は表現活動をする上で、恐怖や熱狂から自分を解放してくれる。


表現をするうえでいらない感情を取り除く代わりに、リアルの自分は「命」を差し出す。


命に代えても表現したいものが目の前にあればこの取引は成立するのかもしれません。




引き続き池袋。 一枚目は板橋ですが…


2枚目は池袋の摩天楼「サンシャイン60」に続く道…。


これも前回の写真と同日に撮ったものです。 


朝の池袋はとにかく人が少ない。


人混みが嫌いな人は、朝の散歩で都会を感じてみては?